3.13.2013

Put back memories in their hands

Activities of putting back memories in their hands - mementos before Tsunami and Earthquake in Eastern Japan.  (Rikuzen-takata city, Iwate)
「思い出の品」返却活動 - 震災前の思い出 (岩手県陸前高田市)



 2011年の東日本大震災津波被害の跡地では、写真や学校の卒業記念品など、様々な「思い出の品」が見つかっている。震災前の大事な思い出となるこれらの品を、持ち主の手にお返ししようという活動が、あちこちの震災被災地で行われている。陸前高田市でもこの活動が現在も行われている。
思い出の品の数は膨大で、また、持ち主を特定する手がかりが見つかっても、現在の住まいが分からないことも多く、返却をするのは大変だとのこと。

mementos found in tsunami area.
被災した地区で見つけられた様々な思い出の品

 神奈川災害ボランティアの一人として行った私は、傷んだ写真をスキャナーで取り込んでデータ化する作業をお手伝いさせて頂いていた。地区の運動会、学校行事の一コマ、何かの受賞記念式典、退職する方の送別会、仲間との旅行らしき集合写真などなど。震災前、日々を平和に営む陸前高田の皆さんの姿を写した写真が次々と続く。その中に、結婚式当日なのか、嫁入り衣装の和服に身を包んだうら若き女性が、実家を出発する前にご家族で撮ったと思われる一連の写真があった。これらはきっと、このご家族にとって晴れやかで、かけがえのない素敵な思い出のように思えた。「なんとかお返ししたいですね」と、隣で作業をしていたスタッフの方にお見せしたところ、写っている1人の女性を見て「この人、○○ちゃんのお母さんだ」と、具体的に持ち主につながるだろう人物の名前が飛び出してきた。これでなんとか持ち主に辿り着けるかもしれない。それを聞いて私もうれしくなった。人と人とのつながりが強いこの街では、こうした人づてに消息が分かることも少なくないそうだ。「何故なら人口2万人くらいの小さな街ですからね」とのこと。ただ、こうした明るい話ばかりではない。ある写真を見て、「ここに写っている御家族は津波で全員亡くなってしまった」といった悲しい話を知ってしまうことにもなる。
Photos found in tsunami area. Almost all of them are damaged in Tsunami disaster. Staff and volunteers clean them up.
スタッフやボランティアたちが津波で傷んだ写真一枚一枚を洗浄している。

Photos of beautiful days before tsunami. They try to turn photos from paper to digital data. Because condition of damaged photos are getting worse day by day. It is not easy to find the possessor of them.
傷んだ震災前の写真をデータ化する作業も行われている。多くの写真は、時間と共に傷んでいっている。写真の持ち主を探すのは容易ではない。

 手がかりの判明した品、写真は、電話連絡を取ったり、スタッフや社会福祉協議会の人たちなどが仮設住宅を周る際に直接会って、お返しを試みたりしているそうだ。もちろん、この作業場は毎日開いている返却会場でもあるので、直接ご本人が訪れて自身の思い出の品を探し、受け取ることも出来る。この日は2人の方が思い出の品を探しに来所されていた。ただ、被災者の皆さんは生活再建のために多忙であり、また、すでに2年の時が経過した現在では、来所される人の数は多くはないとのことでもあった。
They try to find "key"of possessor in mementos. After that they try to contact to  possessor. But it is not so easy to trace the possessor to his or her residence after Tsunami.
思い出の品の中に手がかりを探し、それを元に持ち主に連絡を取ろうとする。しかし、震災後の居住場所を探し出すのは簡単ではないとのこと。

 スタッフの皆さんは、日々地道に作業を続け、また、パソコンでデータベースを作成するなど様々な工夫もしながら一つでも多くの思い出の品を持ち主にお返ししようと努力している。そして、全国の沢山のボランティアが、写真洗浄などの様々な作業をお手伝いしているとのこと。1つでも多くの思い出が持ち主の手元に戻ることを、そして、人の顏が見える素晴らしい街が、一日でも早く復興することを願って止まない。

陸前高田市「思い出の品」返却活動ホームページ
http://311archives.jp/group.php?gid=10037
House of their activities
作業場兼事務所

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