3.10.2012

Wood-print artist in the Earthquake, Tsunami & Nuclear crisis of Fukushima

Wood-print artist in the Earthquake, Tsunami & Nuclear crisis of Fukushima
地震、津波、そして原発事故の福島で木版画家は


 福島県いわき市にある「ギャラリーいわき」で開催されている『大久保草子 木版画展』を訪ねた。草子さんは、自然や動物などをモチーフにした幻想的で魅力的な木版画を多く発表している木版画家だ。
 彼女の住む福島県いわき市は、2011年3月11日の大地震と津波、そして原発事故で大きな被害を被っている。草子さんも被災者となってしまった。その深刻な状況が続いていた時期に、次々と作られた作品をはじめ、沢山の作品が今回展示されている。

 震災後の作品だが、一時の危機的な時期は過ぎたものの、今でも大きな生活不安となっている原発事故と放射性物質が、テーマの一つとなっているようであった。そうした作品群の一部が以下にある4点だ。
「・・・」という作品には、言葉になる前の気持ちが彼女の中でバーンとはじけ、それを作品としてぶつけたという圧倒的な作品である。巨大な力や不安を強く感じさせ、その中から前向きに生まれ変わろうとする新しいエネルギーのようなものを感じる。
「船が来た」は、日本や世界の各地から届けられた沢山の支援物資や、それに続く復興支援の祭りといった出会いを表現した作品とのことである。喜びの気持ちと見る人を元気にさせるエネルギーを感じずにはいられない。

「クマとカラス」

「・・・」

「山里にて」

「船が来た」

その他にも、とても素晴らしい作品が続く。草子さんは、ご夫婦で芸術家として創作活動を続けており、とても印象的な話が続く。ご夫婦の友人知人の皆さんも、芸術家として活動されている方も多いようで、こうした方々との会話も楽しいものであった。しかし、いわき市も、福島県全体も、復興しつつあるとはいえ、まだまだその途上であり、震災当時の辛い体験も、現在も続くご苦労も、いわき市に住む皆さんの中に今も暗い影として強く残っている。会話の中でそのことが強く感じられた。そして、木版画という手段を、心の中にある思いを外へと表現する何らかの手段を、持たぬ沢山の被災者の皆さんは、きっと渦巻のような辛い思いを心の中に、今現在も持ち続けているのではないか。そうも思えたのだった。

震災をモチーフにした圧巻の作品群以外にも、こころ温まる作品も多数展示されている。この個展は、3月13日火曜まで開催されているとのことだ。

「待つぽっこり」

「冬ごもりと四季」

「日月曼陀羅」

「見つけました」



木版画家の大久保草子さん


『大久保草子 木版画展』
2012年3月3日 - 3月13日 11:00 - 19:00
ギャラリーいわき (福島県いわき市泉ヶ丘2-12-1)
Phone: 0246-56-0264


大久保草子さん夫婦のブログなど


4 件のコメント:

kajikaji さんのコメント...

お久しぶりです!
2012年も精力的に活動されているようですね。嬉しいです。
今回の訪問は 1年たったこともありますが、大石さんもご存知だと思いますが、蔡雨樺さんが大槌で住み込みで頑張っているというのをNHKで見たもので・・・
自分は6月遠野のあとには 結局行けずじまいでして これからも・・・?。
できることとしては 行きたい人への情報提供(サイトへ誘導ぐらい)でなかなか動けないですね。
まだまだ東北は寒い中ですが また行かれる際には体調や事故などにも気をつけて無理のないよう願っています。

Yasuto Oishi さんのコメント...

kajikajiさん
コメントとお気遣いありがとうございます。
ご無沙汰していますがお元気ですか?
ウカちゃんは、ずっと被災地で頑張っているようですね。その他にも、ROAD隊経験者の方で、様々なことで活躍されている方もいらっしゃいます。
遠野まごころネットは、有期雇用ですが、人員の募集をかけたりしていますよ。時々、まごころネットのホームページを確認すると情報を見つけることが出来ます。

大旦那 さんのコメント...

はじめまして。
ウカさんのことを、最近知りました。
仕事をやめてボランティアをされているそうですが、仕事をやめてまでボランティアをされている方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか?
以上、大したことをしていない自分を鼓舞したく、質問させていただきました。

Yasuto Oishi さんのコメント...

大旦那さん
コメントありがとうございます。
ウカさんが取材された放送、私自身は見ることが出来なかったのですが、ウカさんが大槌で頑張っているということは聞いています。

被災地に来るボランティアの多くは、週末や休暇を利用して来ている社会人や、定年退職されて時間が自由な年配の方、そして長期休みを利用して来ている学生さんたちと言っていいと思います。

しかし、ボランティアのために仕事を辞めて来たという方、あるいは、辞めて時間があるのでこの機会を利用してボランティアに来たという方にも、割と多くお会いします。被災地全体での具体的な人数までは分かりませんが…。活動期間等どのような計画で来ているのかは、人それぞれだと思います。大旦那さんも、無理のない範囲で、どうかご活躍なさって下さい。